国民健康保険及び後期高齢者医療(以下、国保等)における第三者行為とは、第三者(国保等の当事者である被保険者と被保険者以外の者)の故意又は過失によって国保等の被保険者に損害を与えた場合の不法行為をいいます。交通事故においては、国保等の被保険者にケガをさせたという加害者の不法行為がこれに該当します。第三者には、その損害を賠償する責任が生じます。
国保等では、保険給付の事由が第三者の行為によって発生したときは、被保険者の属する世帯の世帯主または組合員は、当該被保険者の氏名、その事実、第三者の氏名および住所、並びに被害の状況を直ちに保険者に届け出なければなりません。
国民健康保険法施行則第32条の6
給付事由が第三者の行為によって生じたものであるときは、被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員であってはその旨、第三者の氏名及び住所または居所(氏名又は住所若しくは居所があきらかではないときは、その旨)並びに被害の状況を、直ちに、保険者に届け出なければならない。
高齢者医療確保法施行規則第46条
療養の給付に係る事由又は入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給に係る事由が第三者の行為によって生じたものであるときは、被保険者は、遅滞なく、次ぎに掲げる事項を記載した届書を、後期高齢者医療広域連合に提出しなければならない。 一 届出に係る事実 二 第三者の氏名及び住所又は居所 三 被害の状況
第三者行為による国保等の給付があった場合は、保険者はその給付の価額を限度として被保険者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得します。
保険者は、この損害賠償請求事務を国保連合会に委託することができます。
国民健康保険法第64条第3項(一部抜粋)
保険者は取得した請求権に係る損害賠償金の徴収又は収納の事務を国民健康保険団体連合会であつて厚生労働省令の定めるものに委託することができる。